弓道場の看的表示の修理を行いました。その①

新見高校には県内でも有数の規模を誇る立派な弓道場がある事をご存じでしょうか。この新見高校の弓道場で7月24,25日に「岡山県高等学校夏季弓道大会」が行われる事になりました。かつては中国大会も実施されたこともある由緒正しい弓道場なのですが、なにせ数十年ぶりの公式大会です。無事に大会が開催できるように施設の整備をする必要があります。なかでも看的表示が・・・・。

看的とは、選手の引いた矢が当たれば「○」を、外れれば「×」をリアルタイムで表示する表示盤で、これが無いと選手も周りも現在の状態が分からなく困る上に、公式記録もこの表示を元に記録するので、この看的表示が無いと公式試合は出来ません。そこで、工業技術科でこの看的表示を夏季大会までに修理することにしました。

看的表示の修理のためにまずは分解し、構造把握・寸法取りを行います。

○×表示は悲惨な事になっていますが、枠自体は職人さんの技術が随所に光っていて頑丈に作られており、まだまだ数十年は使用出来そうで驚きました。

素材が薄いベニヤなので、雨風による腐食や接着離れが起きていました。 今回修理の検討を行った結果、元の状態に戻すだけだと、また腐食による破損が起きるので、ここは長寿命化と工業技術科の技術力を生かして(?)、材質SUS304(板厚1.0㎜)をTig溶接で製作することにしました。

板厚が薄いのでTIG溶接で点溶接をしました。 伝統的に看的は黒地に白色での表示なのですが(素材も木)、あえて金属感を大切にして下地は塗らず、金属肌に黒色の○×表示にしてみました(基本SUSは錆びないので塗装はしません)。綺麗に出来てなかなか良い感じです。

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